整除性の判定法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 15:39 UTC 版)
整除性の判定法(せいじょせいのはんていほう, 英: divisibility rule, 仏: critère de divisibilité, 露: признаки делимости, 中: 整除规则)は、ある整数を別の整数で割った商が整数となるか(i.e. 余りがゼロであるか)を、割り算を直接実行することなく判別する裏技である。倍数の判定法ともいう。 様々なN進法における倍数判定の方法として、以下の方法が挙げられる。 一の位の数で判定一の位がMであればMの倍数、という方法。 各桁の和(数字和)で判定一桁の最後の数(10-1)の倍数は、各桁の和が10-1に収まれば10-1の倍数、という方法。六進数での5の倍数、九進数での(2、4、)8の倍数、十進数での(3、)9の倍数、十六進数での(3、5、)15の倍数、二十五進数の(2、3、4、6、8、12)24の倍数など。 下P桁で判定下二桁がabであればMの倍数、下三桁がabcであればMの倍数…、という方法。 11が合成数の場合11となる数が合成数の場合、二桁数abがあれば a-b または b-a の差が11の約数Mになっている場合に、Mの倍数となる、という方法。例:八進数での9(= 118)の倍数(32 = 11)、二十進数での3の倍数と7の倍数(3×7 = 11)、三十二進数での3の倍数と11の倍数(33 = 11)など。 一の位をa倍乗算表の二桁数abから逆算して、一の位bをa倍する方法。十進数における7の倍数(7×3 = 21)、十二進数における5の倍数(5×5 = 21)、十六進数における11の倍数(3×B = 21)、四十進数における33 の倍数(3×3×3×3 = 21)など。 乗算表の最後の数{(10-1)2 = a1}の場合は、一の位をa倍して、「整数第二位以上」と「一の位をa倍」の差をa1で割って余りが0になればa1の倍数、という方法。十進数での34 = 81の倍数など。 「整数第三位以上」に「下二桁をa倍」を加算「整数第三位以上」に「下二桁をa倍」を加算し、その和をMで割って余りが0ならばMの倍数、という方法。六進数での15(1110)の倍数、十進数での35 = 243 の倍数など。 素因数が複数になる場合には、上記の倍数判定方法を組み合わせることになる。 とりわけ、六進数と十進数では、素因数に2, 3, 5が含まれる倍数の判定が容易である。これは、六進数では10 = 2×3 = 5+1 となり、十進数では 10 = 2×5 = 32+1 となり、"10"の素因数と"10-1"の素因数に2, 3, 5のどれかが含まれているからである(その上に10の素因数も複数ある)。例えば、23×32×5 = 1400(6) = 360(10)の倍数も、六進数だと「下三桁が200, 400, 000のどれかで、各桁の和が5の倍数」で計3種類(1400, 3200, 5000, 10400…)、十進数だと「一の位が0、整数第二位~第三位で4の倍数が現れ、各桁の和が9の倍数」で計2510種類(360, 720, 1080, 1440,1800,2160,2520…)となる。
※この「整除性の判定法」の解説は、「倍数」の解説の一部です。
「整除性の判定法」を含む「倍数」の記事については、「倍数」の概要を参照ください。
- 整除性の判定法のページへのリンク