教示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:30 UTC 版)
行政不服審査法において特徴的な制度が教示である。これは行政庁が処分をする際に、不服申立てができる場合には、その処分を受ける相手方に対して、不服申立てをする手続を教えなければならないという制度である。 この制度が設けられた趣旨は国民の権利利益の救済を実質的に保障することであり、それは行政不服審査法の目的でもある。たしかに、不服申立ての制度は行政不服審査法を通読すれば(少なくとも申立てが可能であるということは)誰でも分かることである。しかしそうした行為を国民に要求するのではなく、行政の側から積極的に行政不服審査法の制度活用を国民に呼びかけるのがこの教示制度であり、行政不服審査法の目的をよく表している。 第82条(不服申立てをすべき行政庁等の教示) 行政庁は、審査請求若しくは再調査の請求又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条、第84条及び第85条において「不服申立て」と総称する。)をすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない(第1項)。 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか並びに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない(第2項)。 利害関係人のうち教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、当該教示は、書面でしなければならない(第3項)。 第83条(教示をしなかった場合の不服申立て) 行政庁が教示をしなかった場合には、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる(第1項)。 第19条(審査請求書の提出に関する規定。第5項第1号及び第2号を除く。)の規定は、不服申立書について準用する(第2項)。 不服申立書の提出があった場合において、当該処分が処分庁以外の行政庁に対し審査請求をすることができる処分であるときは、処分庁は、速やかに、当該不服申立書を当該行政庁に送付しなければならない。当該処分が他の法令に基づき、処分庁以外の行政庁に不服申立てをすることができる処分であるときも、同様とする(第3項)。 前項の規定により不服申立書が送付されたときは、初めから当該行政庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。 第3項の場合を除くほか、不服申立書が提出されたときは、初めから当該処分庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。
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