教会音楽のアンセム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 10:23 UTC 版)
教会音楽、とくにイングランド国教会の礼拝(サーヴィス)におけるアンセムは、朝・夕両方の祈りで第3の特祷の後に行われることが、ルブリカ(Rubric)によって定められている。アンセムの中にはイギリスの戴冠式のものもある。歌詞は聖書や儀式文集から取られる。曲は一般に、賛美歌より凝っていて、変化に富んでいる。イングランド国教会のアンセムは、会衆のためでなく訓練を積んだ合唱隊のために作られカトリック教会およびルーテル教会のモテットと似ているが、基本的に歌詞は英語である。 アンセムは、聖母マリアなどの聖人への祈祷に付属して歌われるカトリックの「votive antiphon」の代用として発展した。エリザベス朝(1558年 - 1603年)には、ウィリアム・バード、トマス・タリスらがアンセムを作曲したが、祈祷書に「アンセム」という語が出てきたのは1662年が最初だった。 多くのプロテスタント教会では、「アンセム」という語を礼拝式の中での短い合唱曲に対して用いている。聖公会の文脈では、アンセムは英語の歌詞に曲がつけられたものである。そこから、「アンセム」という語は現在のように広義に使われるようになった。
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