放牧における植生の回復と維持・他の地域の事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:40 UTC 版)
「ユルリ島」の記事における「放牧における植生の回復と維持・他の地域の事例」の解説
北海道では植生の回復と維持のため、北方原生花園(根室市)や、原生花園あやめヶ原(浜中町)などで馬の放牧がおこなわれている。知床が世界自然遺産に登録された際、外来種がはびこり植物の減退が問題になっていた小清水原生花園(小清水町)では、「知床への道〜風景再生事業」として馬の放牧が実施された。 小清水原生花園における調査では「かつておこなわれていた家畜の放牧、蒸気機関車の火の粉による野火、牛馬の菜食や踏圧などの草原に対する攪乱の要因が、美しい草原を維持するために深く関わっていた」と報告されており、現在でも馬の放牧と人為的な火入れがおこなわれている。『小清水原生花園生態系管理マニュアル』(2008年版)では「かつては適当な攪乱の存在が原生花園の景観を維持してきたわけで、この時代に攪乱の要因が排除されたことで景観が変貌してしまったようです。一見するところ原生花園を痛めつけているように見えるこれらの要因が、原生花園の維持に不可欠だった」と結論づけられている。
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