放射線遮断能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 00:09 UTC 版)
「被曝」および「放射線障害」も参照 広島逓信病院院長の蜂谷道彦は、広島原爆からの被爆からほぼ1ヶ月以内にあたる8月23日から9月19日において生存被爆者の白血球数を検査し、爆心地からの距離と遮蔽状況で分類した(なお白血球の基準下限値は3300から4000/μl)。 遮蔽状況屋外木造屋内RC屋内平均値 標準誤差 被験者数 平均値 標準誤差 被験者数 平均値 標準誤差 被験者数 爆心地からの距離(m)0 - 500 - - 0 2,200 - 1 3,004 670 17 500 - 1,000 2,133 不明 7 2,701 504 28 3,114 866 14 1,000 - 1,300 2,980 1,089 10 3,797 796 43 4,540 941 16 1,300 - 2,000 4,050 800 5 4,025 355 8 - 以上より、屋外より屋内の方が、木造より鉄筋コンクリート(RC)建造物のほうが白血球減少が少ない結果が出ていることから、建造物は放射線に対する一定量の遮蔽能力があるとわかる。ちなみに広島原爆における最も近い位置での生存被爆者は、爆心地から170mの位置にあったRC建造物レストハウスの地下にいた人物であり、彼は1982年84歳まで生きている。 なお、このデータはあくまで広島型原爆でのものであり、長崎のケースや水素爆弾・中性子爆弾などにおいてはこの限りではない。
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