放射冷却に伴う気象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/21 03:05 UTC 版)
放射冷却によって地面付近の空気が急速に冷却されると、上空よりも気温が低くなり接地逆転層という種類の逆転層が発生することがある。 湿度が極端に低くないとき、放射冷却によって地面付近の空気が急速に冷却されて露点温度に達し、放射霧という種類の霧が発生することがある。また、川や海岸に近い海では、放射冷却された冷たい空気が暖かい水に接して、蒸気霧が発生することがある。地域差があるものの、少なくとも日本の多くの地域では秋から冬にかけて放射霧が多く発生する。このうえ、逆転層ができていて湿度が比較的低いときには、人の視界の高さ以下の地面付近にのみ薄い霧が発生する地霧が見られることもある。 霧が発生すると、雲と同じで地面放射を吸収して再放射するため、放射冷却が和らげられる。 また、霧が発生しなくても、空気中の水蒸気が飽和に近く、かつ地面付近の温度が0℃以下の場合、霜が発生する。また、地面がやわらかい土で豊富に水分が含まれていると、霜柱が発生する。森では、地面よりも木々の枝葉のほうが温度低下が大きいので、木々だけに霜が降りる樹霜が発生することもある。
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