支援の方針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 05:11 UTC 版)
本人のあらゆる過去や側面を受け止めて、承認・価値を与えることが重要とされる。また、トラウマに付与された否定的な意味づけ(罪悪感など)を和らげて、別の肯定的な意味づけ(当時の状況を考慮すれば無理もないことであった、など)を共有していく。さらに、トラウマ以前の記憶にアクセスし当時の趣味・日課などを取り戻したり、本人のペースを尊重しながら過去と切り離された新しい人生を再建したりできるようサポートする。 フラッシュバックが起きている場合、トラウマ記憶が容易に言語化できない鮮烈なイメージとして頭に残っており、言語化できる通常の記憶として処理されていないことがある。そのような際には、本人の語りを治療者が丁寧に受け止め、トラウマ記憶の中の体験や感情に肯定的な意味づけ(自分のせいではなく無理もないことであった、など)をしていくことを通じて、トラウマ記憶を言葉で表現できる通常の記憶として処理することができる。このようにしてトラウマを和らげていく過程を、治療者が支援することも大切である。 同時に、トラウマ体験とそれに伴う感情を話したり書いたりすることをサポートするなかで、本人が記憶の中にある様々な感情を処理し辛い気持ちを和らげることができたり、現在の状況は過去とは異なる安全な状況であることを再認識できたりするよう、支援することも重要である。これらの際にも、本人のどのようなトラウマ体験やそれに伴う感情も、温かく受け止めていく。
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