提案された有人型
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2008年5月14日、EADSアストリアムとドイツ航空宇宙センター (DLR) は、ATVを基にした人員輸送システムの計画を発表した。この宇宙船は3人乗りで、改良型のアリアン5ロケットで地球低軌道に投入でき、ロシアのソユーズ宇宙船より広々としている。提案中の宇宙船の模型は、2008年にベルリンで行われた国際航空宇宙展示会で発表された。計画がESAの承認を得られれば、2段階の開発が行われる計画だったが、結果的には認められなかった。 第1段階の無人型は、前述のCARVと同様に貨物を宇宙から地上へ安全に輸送できるもので、2013年までに開発。もしここまでで開発が打ち切られても、ESAは貨物機として利用できる。ISS計画のほか、NASAが提案中の火星サンプルリターンにも役立てることができる。この段階の開発に要する費用は、EADSアストリウムによれば、およそ10億ユーロ(約2000億円)以下だという。 第2段階では、第1段階のカプセルを安全な人員輸送に使えるよう改良する。EADSアストリウムの上級代表者によれば、開発期間は4〜5年で、20億ユーロを要するという。 なお、ESAとEADSアストリウムは、ロシア宇宙庁とCSTS計画も検討していた。CSTSはATVの貨物キャリアをロシア製の有人カプセルと置き換えたようなコンセプトであり、ATV有人型との違いはカプセルもEADSが開発するかという点に過ぎない。
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