推力不足を補った例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 04:31 UTC 版)
1984年10月に国際ハレー彗星観測艦隊といわれた惑星探査機群に参加していた NASAの国際彗星探査機(ICE)は、既存の残存燃料の少ない衛星を再利用する形で急遽仕立てられたものであり、NASAのスイングバイ魔術ないしは悪魔的スイングバイ技術といわれた5回に及ぶ月スイングバイにより、ハレー彗星のコマから噴出される尾の観測を行った。ICEを成功に導いたのは、フライト・ディレクターであり、優れたスイングバイの技術を持つロバート・ファーカーであった。彼は、ニア・シューメーカーでも、ミッション・ディレクターとして地球スイングバイを成功させている。また、後述のひてんやジオテイルの成功の陰には彼の協力があったと的川泰宣は述べている。 また、1989年10月18日に打上げられたアメリカの木星探査機ガリレオは、スペースシャトル「アトランティス」に搭載して打ち上げられ、さらに、ロケットを使って地球の軌道を離れたが、このロケットはチャレンジャーの事故もあって当初の計画より推力の少ないものに変更されていた。そのままでは推力不足で木星に向かうことができないので、一旦逆の金星に向かい、金星、地球、地球とスイングバイを行って増速する方法を用いて木星に向かった。この方法は VEEGAと呼ばれる。
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