接続詞・接続助詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 06:09 UTC 版)
「ばってん」は逆接「しかし」「しかしながら」「だろうけれども」の意。県外でもよく知られる熊本方言の1つ。「英語のbut thenがこの語の語源である」との説が一時期まことしやかに言われたが、偶然の一致で、現在これを本気にする者はいない。「(され)ばとて」が転訛したもの、が今日の一般的見解である。文頭では「そるばってん」「そばってん」と言うことも多い。相手を否定せず異論・反論をしやすい。「肥後の議論倒れ」の一因かも知れない。球磨郡東南部、葦北郡一部、阿蘇郡東部・南部では、「どん」「いどん」も用いる。 「〜けん」は順接「〜だから」をあらわす接続助詞。「寒いから外出したくない」なら「寒かけん外に出よごんなか」という。これは熊本弁に限らず、中国・四国地方や北部九州で使われる「〜けん」「〜けえ」と同様の用法で、熊本弁と云うより西日本語と云えよう。一方、県南部の葦北・球磨・天草の高齢層では「で」を用い、鹿児島弁と共通する。 「〜ちゃ」(=で。でも) … 「帰らんちゃよか」(=帰らなくてもいいよ)。ばってん荒川・島津亜矢の歌のタイトルの1つ。ただし、本来は「てちゃ」と思われ、年配者は「帰らんてちゃよか」と言う。 「〜ちか」(=なのに) … 「日曜ちか学校に行かないかん」(日曜なのに学校に行かなければならない)。年配の人間はほとんど使わず若者中心に使われている珍しい方言である。 「〜さん」(=へ) … 「あっちさん行け。」(=あっちいけ。)また、「〜ちゃん」とも使う。
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