抗NAE抗体の橋本脳症病態への関与の仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:48 UTC 版)
「甲状腺自己抗体」の記事における「抗NAE抗体の橋本脳症病態への関与の仮説」の解説
橋本脳症において見出された抗NAE抗体が脳症を引き起こす原因と成るかは不明である。いくつかの仮説があるため仮説に関して概説する。 神経へ作用している仮説 抗NAE抗体は髄液中に移行していることが確認されている、また抗NAE抗体陽性小脳失調型橋本脳症(自己免疫性小脳失調症のひとつ)では患者髄液がラット小脳スライスのシナプス伝達を抑制することが明らかになっている。 血管内皮へ作用している仮説 橋本脳症では脳微小血管炎が病理学的に認められるという報告があり、SPECTでも脳血流低下が高頻度に認められることから微小脳循環障害が病態の主体という仮説がある。 どこに分布するαエノラーゼに作用するかという問題 解糖系酵素としてのαエノラーゼは細胞質内に分布しており、こちらに作用する場合は抗NAE抗体がエンドサイトーシスで細胞内に取り込まれる必要がある。プラスミノーゲン受容体としてのαエノラーゼに作用する場合はエンドサイトーシスを介さずに作用できる。抗VGKC抗体複合脳炎では標的分子や標的とするエピトープの差によって臨床症状が異なっており、上記のような作用点の差などで橋本脳症の多彩な臨床症状が説明できる可能性もある。
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抗NAE抗体の橋本脳症病態への関与の仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:44 UTC 版)
「橋本脳症」の記事における「抗NAE抗体の橋本脳症病態への関与の仮説」の解説
橋本脳症において見出された抗NAE抗体が脳症を引き起こす原因と成るかは不明である。いくつかの仮説があるため仮説に関して概説する。 神経へ作用している仮説 抗NAE抗体は髄液中に移行していることが確認されている、また抗NAE抗体陽性小脳失調型橋本脳症(自己免疫性小脳失調症のひとつ)では患者髄液がラット小脳スライスのシナプス伝達を抑制することが明らかになっている。 血管内皮へ作用している仮説 橋本脳症では脳微小血管炎が病理学的に認められるという報告があり、SPECTでも脳血流低下が高頻度に認められることから微小脳循環障害が病態の主体という仮説がある。 どこに分布するαエノラーゼに作用するかという問題 解糖系酵素としてのαエノラーゼは細胞質内に分布しており、こちらに作用する場合は抗NAE抗体がエンドサイトーシスで細胞内に取り込まれる必要がある。プラスミノーゲン受容体としてのαエノラーゼに作用する場合はエンドサイトーシスを介さずに作用できる。抗VGKC抗体複合脳炎では標的分子や標的とするエピトープの差によって臨床症状が異なっており、上記のような作用点の差などで橋本脳症の多彩な臨床症状が説明できる可能性もある。
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