抗糖尿病作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 14:19 UTC 版)
脂肪細胞はレプチンなどのアディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質を産生しており、アディポサイトカインはその作用から善玉と悪玉に分けられる。善玉アディポサイトカインの中でもアディポネクチンは膵臓から分泌されるインスリンへの感受性を亢進させる作用を有し、血糖降下作用の発現に寄与することで注目されている。アディポネクチン遺伝子のプロモーター領域にはPPAEが存在し、脂肪細胞の分化に必要不可欠な分子であるPPARγが結合することでアディポネクチンの産生が促進される。また、PPARγアゴニストは前駆脂肪細胞からアディポネクチン産生能を有する小型脂肪細胞への分化誘導と肥大化した脂肪細胞のアポトーシスにより脂肪細胞サイズの小型化を引き起こす。小型化した脂肪細胞はアディポネクチン産生量の亢進に加えて炎症性サイトカインであるTNF-αの産生量低下などインスリン感受性の増強を引き起こす。一方、TNF-αは肥大化した脂肪細胞においては産生量が増加しており、インスリンのシグナルを抑制するため(インスリン抵抗性)、血糖値を上昇させる。
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