投球に関する規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 02:20 UTC 版)
公認野球規則では、捕手は投手が投球を開始するまで本塁の直後に位置しなければならないとされている。特に故意四球を意図した投球を行う際には、ボールが投手の手を離れるまではキャッチャースボックスから片足でも出してはならない(公認野球規則5.02(a))とされており、これに違反すれば投手にボークが科せられる。したがって、投手はあらかじめ故意四球を行う旨を捕手と示し合わせ、捕手はある程度遠く離れた球が投げられても対応できるよう準備をする必要がある。 この「捕手は投手がボールをリリースするまでキャッチャースボックス内に位置する」というルールは、近年、特に日本のプロ野球においてはおよそ守られていない。審判員も黙認していることが多く、現実に捕手がキャッチャースボックスの外に片足を出して構えているときに投手が投球しても、ボークと判定される事例はほとんど見られない。 野球規則において、「故意四球」が記録されるのは「投球する前から立ち上がっている捕手に4球目にあたるボールを、投手が意識して投げた場合」である(捕手の位置は問わない)。例えば、 投手は勝負していたがストライクが入らず、ボールカウントが3ボール0ストライクとなったので、4球目の投球では捕手が立ち上がり、投手はわざとボールを投げて打者に四球を与えた。 投手は故意四球をしようと3つボールを投げたが、状況が変わったため勝負に転じストライクゾーンを狙った。ところがその投球も判定はボールで、打者に四球を与えた。 という2つのケースでは、前者は「故意四球」が記録されるが、後者は通常の「四球」が記録される。 また、捕手が投球前から立ち上がっているのが要件であるから、ストライクゾーンから遠く離れたところに意図して投球を行ったが捕手が立ち上がっていない場合や、投手が投球してから捕手が立ち上がったような場合も故意四球は記録されずに四球が記録される。 故意四球の投球を打者は打っても差し支えなく、後述されているように安打した事例も存在する(下記「故意四球を意図した投球を安打にした例」を参照)。
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