成長と過変態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 02:19 UTC 版)
マルクビツチハンミョウなどは、単独生活するハナバチ類の巣に寄生して成長する。 雌は地中に数千個の卵を産むが、これは昆虫にしては非常に多い産卵数である。孵化した一齢幼虫は細長い体によく発達した脚を持ち、草によじ登って花の中に潜り込む。花に何らかの昆虫が訪れるとその体に乗り移るが、それがハナバチの雌であれば、ハチが巣作りをし、蜜と花粉を集め、産卵する時に巣への侵入を果たすことができる。 また、花から乗り移った昆虫が雄のハナバチだった場合は雌と交尾するときに乗り移れるが、雌に乗り移れなかったものやハナバチ以外の昆虫に乗り移ったものは死ぬしかない。成虫がたくさんの卵を産むのは、1齢幼虫が生き残れるかどうかがこのような運任せの生態に対応しているためだと考えられる。 ハナバチの巣に辿りついた1齢幼虫は、脱皮するとジムシのような形態となる。ハナバチの卵や蜜、花粉を食べて成長するが、成長の途中で一時的に蛹のように変化し、動かない時期がある。この時期は擬蛹(ぎよう)と呼ばれる。擬蛹は一旦ジムシ型の幼虫に戻ったあと、本当に蛹になる。 甲虫類の幼虫の多くは、蛹になるまで外見が大きく変わることはないが、ツチハンミョウでは同じ幼虫でも成長につれて外見が変化する。通常の完全変態よりも多くの段階を経るという意味で「過変態」と呼ばれる。このような特異な生活史はファーブルの「昆虫記」にも紹介されている。
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