戀衣とは? わかりやすく解説

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こい‐ごろも〔こひ‐〕【恋衣】

読み方:こいごろも

心から離れない恋を、身につける衣にたとえていう語。

「—着奈良の山に鳴くの間なく時なしあが恋ふらくは」〈万・三八八

恋をしている人の着ている衣。

「妹待つと山の雫(しづく)に立ちぬれてそぼちにけらしわが—」〈風雅・恋二〉

[補説] 書名別項。→恋衣


こいごろも〔こひごろも〕【恋衣】

読み方:こいごろも

詩歌集山川登美子茅野雅子与謝野晶子共著明治38年(1905)刊。登美子の「白百合」、雅子の「みをつくし」、晶子の「曙染(あけぼのぞめ)」の短歌3集と、晶子の詩6編からなり、「君死にたまふこと勿(なか)れ」を収める


恋衣


恋衣

読み方:コイゴロモkoigoromo

作者 与謝野晶子

初出 明治38年

ジャンル 歌集


恋衣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/28 08:08 UTC 版)

恋衣
著者 山川登美子増田雅子与謝野晶子
発行日 1905年1月1日
発行元 本郷書院
日本
言語 日本語
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恋衣』(こいごろも、本郷書院、1905年1月1日)は、日本の歌人山川登美子増田雅子与謝野晶子による共著の詩歌集。本文152頁。歌数、登美子「白百合」131首、雅子「みをつくし」114首、晶子「曙染(あけぼのぞめ)」148首。詩の数、晶子6編。

概要

歌集名「恋衣」は、常に心から離れない恋、との意味。恋心を常に身から離れない衣に見立てた語で、万葉集に用例がある。この歌集名は、三人が拠った東京新詩社の主宰者であり晶子の夫でもある与謝野鉄幹の命名と考えられている[1]。登美子「白百合」と雅子「みをつくし」は1900年から1904年まで、晶子「曙染」と詩は1904年から1905年までの作品である。歌は、「明星」調のロマンティシズムがよく発揮されている[2]。しばしば引用される歌に次のようなものがある。

  • 登美子  髪ながき少女(をとめ)とうまれしろ百合(ゆり)に額(ぬか)は伏せつつ君をこそ思へ
  • 雅子  しら梅の衣(きぬ)にかをると見しまでよ君とは云はじ春の夜の夢
  • 晶子  金色のちひさき鳥のかたちして銀杏(いちよう)ちるなり夕日の岡(おか)に

しばしば引用される詩は、晶子「君死にたまふことなかれ」である。

評価

刊行当時、生田長江により高く評価された[3]。晶子らの一派(明星派)ではない若山牧水の1904年12月24日付の日記に、尾崎紅葉の小説『金色夜叉』とともに『恋衣』を購入して「寝るまでそれを読み」、と記されており、この歌集が読者の興味を引いていた様子がうかがえる[4]。ただし、登美子と雅子の歌については、晶子の亜流とする声もあった[5]。また、「君死にたまふことなかれ」は、初出(『明星』1904年9月号)の際に、その反戦的な内容を大町桂月に非難された[6]

脚注

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  1. ^ 青木生子『茅野雅子研究』
  2. ^ 新間新一、『現代短歌全集』第1巻(筑摩書房、1980年12月)。
  3. ^ 生田星郊「『恋衣』を読む」(『明星』1905年2月号)。
  4. ^ 入江春行『晶子の周辺』(洋々社、1981年3月)。
  5. ^ 「『恋衣』の歌人」(『帝国文学』1905年2月号)。
  6. ^ 『太陽』1904年10月号、12月号、1905年1月号。

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