懐疑論と言語上の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/22 10:22 UTC 版)
懐疑派は、啓示された二つのエノク語テクストの相違は、エノク語が実際には首尾一貫した言語ではないことを示すものと指摘している。 たとえばオーストラリアの言語学者ドナルド・レイコックは、ロガエス文書のテクストは自然言語には通常表れない音声的特徴を呈していると記している。というより、このような特徴はグロッソラリア (異言) の諸例に共通して見られる。このことは、少なくともこの二つのテクストはケリーが実際に異言現象を通じて受信したものであることを示しているかもしれない。 懐疑派は レイコックの言語解析を土台として、エノク語の鍵のテクストは正真正銘の自然言語を表していると捉えることにも問題があると指摘する。エノク語の召句の構文法が英語のそれとほぼ同一であることが確認されている。その上非常に少ない証拠であるエノク語の動詞変化は (おそらくアダムの本来の言語との類縁性が英語よりも高いと思われそうな、ヘブライ語やアラビア語のようなセム系諸語よりも) まったく英語を思わせるものである。これらやその他の点から、エノク語の受信は一部のエノク魔術実践者が典型的に主張するほどには神秘的なものでも説明しがたいものでもないことは間違いないように思われる (と懐疑派は主張する)。
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