急性血管拒絶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 14:33 UTC 版)
遅延型異種性拒絶反応(delayed xenoactive rejection)としても知られているが、超急性拒絶反応が回避されれば、2~3日以内にこのタイプの拒絶反応が異種移植片に対して生じる。このプロセスは超急性拒絶よりもはるかに複雑であり、現在完全には理解されていない。急性血管拒絶反応は、生体内でのタンパク質合成を必要とし、移植片内皮細胞と宿主抗体、マクロファージ、および血小板との間の相互作用によって引き起こされる。この応答は、マクロファージおよびナチュラルキラー細胞(少数のT細胞を有する)の炎症性浸潤、血管内血栓症(intravascular thrombosis)、血管壁のフィブリノイド壊死(fibrinoid necrosis of vessel walls)が、特徴である。 先に言及したXNAのドナー内皮への結合は、宿主マクロファージおよび内皮自体の活性化をもたらす。内皮活性化は、遺伝子誘導およびタンパク質合成を誘導する。XNAの結合は、最終的に、凝固促進状態、炎症性のサイトカインやケモカインの分泌をもたらす。また、E-セレクチン、細胞間接着分子-1(ICAM-1)および血管細胞への接着分子(VCAM-1)といった、白血球の接着分子の発現をもたらす。
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