強制空冷エンジンの排熱単純利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:49 UTC 版)
「カーヒーター」の記事における「強制空冷エンジンの排熱単純利用」の解説
強制空冷エンジンはエンジンの周囲が大きなシュラウドで取り囲まれ、エンジン動力の一部で駆動されるシロッコファンなどの吸い込み式ファンで外気をシュラウド内に引き込み、強制的に空冷フィンに当てて冷却を行う。こうしてエンジンに直接触れて熱された空気を、ヒートエクスチェンジャーを介さずにそのまま車内に送り込むタイプの空冷エンジン車ヒーターの事例も古くから存在した。よく知られる事例はシトロエン・2CVやフィアット・ヌオーヴァ500のような、ごく簡易な空冷エンジン車のケースである。 この方式はヒーターとしては最も原始的で構造簡単な部類であるが、エンジンに触れた空気をそのまま車内に取り込むため、車内にガソリンやオイルの臭気が入り込む場合がある。また根本的に温度が安定せず、補助的な電動ブロワーファンを持たない場合には暖房能力の絶対的な不足やデフロスター機能を設けられないといった問題を伴う(2CVやヌオーヴァ500にはデフロスターはあるが、送風はエンジンの冷却ファン圧力のみに頼る構造のため、温度や風量の調節が難しい場合がある)。このため、簡易型の空冷エンジン車自体が市場から消えるのと軌を一にして用いられなくなった。
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