張り出し舞台型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 10:00 UTC 版)
このタイプは、舞台が観客席に向かって突き出し、複数の方向から観客が舞台を囲う形式の劇場である。歴史は古く、古代ギリシャの劇場や、シェイクスピアが現役で活躍していたエリザベス朝の演劇なども、このような劇場で上演されていた。広義には、能舞台や、花道のある歌舞伎の劇場もこれ含まれる。 舞台が観客席に進出していることで、観客と俳優の心理的・物理的距離を縮め、舞台上の出来事をより身近に感じさせる効果がある。西欧における張り出し舞台の劇場では、観客席が急斜面になっていることが多い。これは、劇場内のどの客席にいても、俳優への距離を近く感じられるような効果を狙ってのものである。 収容人数は劇場の大きさによってかなり異なるが、あまり大きくなってしまうと、最後列の観客は舞台との一体感を損なうことになり、この形状であることの利点を失ってしまう。よって、100人以下から1000人規模程度までの劇場が多い。 またストリップ劇場には、デベソと呼ばれる張り出し舞台が組まれていることが多い。 西欧での代表的な張り出し型舞台の劇場には、ミネソタ州ミネアポリスの、タイロン・ガスリー劇場などがある。同劇場は七方から舞台を囲う構造になっている。
※この「張り出し舞台型」の解説は、「劇場」の解説の一部です。
「張り出し舞台型」を含む「劇場」の記事については、「劇場」の概要を参照ください。
- 張り出し舞台型のページへのリンク