床屋の第六の兄シャカーリクの物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「床屋の第六の兄シャカーリクの物語」の解説
ひどい貧乏の兄は、ひとにたかってくらしていた。ある立派な家に施しを受けにいくと、そこの主人である老人はこころよく引き受け、なにもない料理をうまそうに食って見せる。持ち前の調子良さをみせ架空の宴会にのってみた兄だが、そのうち腹に据えかね、架空の酒で酔ったふりをして老人をひっぱたく。しかし老人はかえって大笑いし、以後兄は老人と親しく過ごした。しかし二十年後老人が死ぬと、兄は旅に出るのだが、ベドウィン人の盗賊に襲われて奴隷にされてしまった。頭目の妻は淫乱な女で、再三兄に関係をせまる。魔が差して女を抱いた兄を頭目がみつけ、ベドウィン人は兄の唇をそぎ、さらに陰茎を切り落としたのである。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。 教主エル・モンスタル・ビルラーはおおいに楽しんだが、思うところあるといい、わたしを所払いにした。その後教主がなくなるとわたしはバクダードにもどるのだが、若者の家に呼ばれたのはそのときのことである。 組合員たちはこれを聞いて、やはり床屋に非があると考え、彼を一室に閉じ込めた。せむしの男に会ったのは、この宴会がはねたあとのことである。 シナの王はここまで聞くと、床屋も召し出した。床屋はここまでの話をきき、せむしの様子をみるとぷっと噴き出し、術を施すと、なんとせむしは蘇生したではないか!王はたいそうよろこび、一同のものたちは以後多くの富を賜って裕福に暮らした。
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