年の支え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 02:00 UTC 版)
年の支え(Year Bearer)とは、ハアブ暦の最初の日のツォルキンによる名前をいう。ハアブの最初の日が0ポプとすると、各0ポプは例えば「1イク 0ポプ」のようにツォルキンの日付とともに出現する。ツォルキンの日名は20日あり、ハアブの1年は365日なので、ハアブの最初の日のツォルキン名は以下のように5日ずつ増えていく: 1イク 0ポプ 2マニク 0ポプ 3エブ 0ポプ 4カバン 0ポプ 5イク 0ポプ ツォルキンの20の日名のうち、4つだけが0ポプとともに出現する。この4つが「年の支え」と呼ばれる。 「年の支え」という名前はマヤ人の概念を直訳したものである。年の支えは2つの点で重要である。まず、4つの年の支えによって始まる4年はそれぞれ別の性格を持ち、それぞれが吉凶と守護神を持っている。さらに、年の支えは境界標識や山と地理的に同定されているため、地域社会の定義に役立つ。 上記の年の支えの古典期の体系はティカルの碑文およびドレスデン絵文書に記述されている。古典期後期のカンペチェでは異なる年の支えが用いられた。この体系では1ポプに対応するツォルキンの日付を年の支えとし、アクバル・ラマト・ベン・エツナブが使用される。後古典期のユカタンでは第3の体系が使われた。この体系では2ポプの日付を用い、カン・ムルク・イシュ・カワクが用いられた。さらに、スペイン人による征服の直前にマヤパンではハアブの日数を1から20まで数えるようになった。この体系では年の支えは1ポプ(カンペチェと同じ)になる。古典期と同じ体系は今もグアテマラ高地とメキシコのベラクルス州、オアハカ州、チアパス州で用いられる。
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