年の名前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 14:33 UTC 版)
「カレンダー・ラウンド」の記事における「年の名前」の解説
カレンダー・ラウンドの簡略版が、365日周期の年の名前に使用された。この方法では、年の名前を260日周期の日付で表す。365 = 13×28 + 1 = 20×18 + 5 なので、1年後には13日周期が1つ、20日周期が5つ進む。したがって、たとえばアステカ暦では3・8・13・18番目の「家、ウサギ、葦、石刀」のみが使われ、「1の家」の年の次が「2のウサギ」になる。スペイン人がはじめてテノチティトランにはいった1519年は、「1の葦」の年だった。 年の名前に1年のどの日を選ぶかは地域によって異なっていた。後古典期のユカタン半島のマヤ人は365日暦の最初の日のツォルキンによる日付を使用し、20日の周期のうち4・9・14・19番目(カン・ムルク・イシュ・カワク)が使われたが、アステカ暦では余日5日を除いた最後の日、すなわち360日めの日付を使用した。 この方法による年名は広く使われたが、52年たつと一巡してしまうため、東アジアにおける干支による年の表記と同様、実際に何年であるかを確定しづらい問題がある。たとえばテノチティトランの建設は「2の家」の年とされ、1325年のことと考えられているが、1273年や1377年も「2の家」になる。アステカでは古典期マヤの長期暦のような実質的に循環しない暦を持たず、カレンダー・ラウンドによる年の名前を用いたため、曖昧さは常についてまわる。
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