岡井慎吾とは? わかりやすく解説

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岡井慎吾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/14 00:02 UTC 版)

岡井 慎吾
人物情報
別名 柿堂
生誕 1872年(明治5年)5月29日
日本 福井県丹生郡立待村(現・鯖江市
死没 1945年(昭和20年)2月13日
日本 神奈川県中郡大磯町
出身校 福井師範学校
学問
時代 明治・大正・昭和時代
研究分野 漢字学漢文学
主な業績 玉篇の研究
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岡井 慎吾(旧字体:岡井愼吾)(おかい しんご、1872年〈明治5年〉5月29日- 1945年〈昭和20年〉2月13日[1])は、日本の教育者漢文学者。柿堂と号した。研究論文の『玉篇の研究』で知られている。

概要

1872年に福井県丹生郡立待村(現・鯖江市)に生まれる。[2]

福井師範学校を卒業後、福井中学校で教員心得となる。

1898年(明治31年)、教員検定試験で国語、漢文に合格し愛媛県西条中学校(現・愛媛県立西条高等学校)に転任[3]

旧制石川県第二中学校(現・石川県立金沢錦丘中学校・高等学校)教諭、石川県師範学校訓導[4]を歴任、広島高等師範学校附属中学校(現・広島大学附属中学校・高等学校)に招聘されたのち、1915年(大正4年)に朝鮮平壌中学に赴任した[3]

1922年(大正11年)、熊本医科大学予科教授に招聘され就任。

1927年(昭和2年)、『玉篇の研究』を京都大学に提出し、1931年(昭和6年)学位取得。[3]

1928年(昭和3年)、第五高等学校(後の熊本大学)の講師になる。[3]

1938年に広島高等師範学校(現:広島大学教育学部)の助教授に就任。

晩年は大東文化学院の講師を務め、1945年昭和20年)2月13日神奈川県大磯町の自宅にて心臓病のため死去。72歳(満74歳)歿。[5]

人物・評価

  • 森鷗外の弟の森潤三郎は自著にて、鷗外が最も信頼した人間の一人として山田孝雄大矢透、そして岡井の名を挙げていた。[6]
  • 熊本市の自宅の隅に有七絶堂と名付けた書斎を設え、その書斎にて自身の文集の柿堂存稿を自費出版した。[3]
  • 『玉篇の研究』は佚存書となった玉篇に関する総合的な研究論文として評価が高く、没後70年経った2010年代においてもその研究価値を評価されている。[3]

著作

  • 『新体 日本文学史』金港堂、1902年。
  • 『漢字の形音義』六合館、1916年。
  • 『玉篇の研究』1927年。
  • 『漢語と国語』明治書院、1933年。
  • 『日本漢字学史』明治書院、1934年。
  • 『柿堂存稿』有七絶堂、1935年。
  • 國語文化講座 第二巻 國語概論篇』山田孝雄吉澤義則新村出時枝誠記金田一京助・湯澤幸吉郎・松尾捨治郞・春日政治・岡井慎吾・岩淵悅太郞・神崎淸・東條操・楳垣實・神保格・兼常淸佐・波多野完治松井簡治・龜井孝・島崎藤村・眞下三郎著、櫻木俊晃編、朝日新聞社、1941年。
  • 『大学新講義』東京開誠館、1941年。

作詞

外部サイト

関連項目

参考文献

  • 高田時雄「『玉篇』雑記」未名(中文研究会)、2015年、109-122頁。

脚注

  1. ^ 朝日新聞では13日没、近代文献人名辞典では16日没。
  2. ^ 近代文献人名辞典 岡井慎吾”. 2025年7月6日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 高田時雄 (2015-6). “『玉篇』雑記”. 未名 (中文研究会): 109-122. https://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~takata/zakki.pdf. 
  4. ^ 職員録』内閣官報局、印刷局、1900年、281-282頁https://books.google.co.jp/books?id=phJEAQAAIAAJ 
  5. ^ 「岡井慎吾氏が死去」『朝日新聞』1945年2月16日、東京版、朝刊。
  6. ^ 森潤三郎『鷗外森林太郎』昭和書房、1934年、165頁。 



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