山あらしとは? わかりやすく解説

やま‐あらし【山嵐】

読み方:やまあらし

山から吹いてくる嵐。やまおろし

柔道の手技の一。相手の同じ側の襟と袖を握って釣り込み、前隅に浮かして崩しながら、出足くるぶし上部にあてた足で払い上げて倒す。


山あらし

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/06 16:30 UTC 版)

熊本県八代市の松井文庫所蔵『百鬼夜行絵巻』より「山あらし」

山あらし山荒(やまあらし)は、熊本県八代市の松井文庫所蔵品である妖怪絵巻百鬼夜行絵巻』などにある日本妖怪[1][2]

概要

松井文庫の『百鬼夜行絵巻』では、棘状の突起に全身を覆われた獣の姿で描かれ、また国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』では同じ形状の妖怪がのぶすまという名で呼ばれている[3][4]が、一切の解説文がないため、どのような妖怪を意図して描かれたものかは不明である。

妖怪ではなく実在の動物であるヤマアラシを描いたもの[1]、ヤマアラシが全身の棘によって相手を威嚇するという断片的な情報が妖怪視されたもの[2]などの説もある。

伝承

上記の絵巻物に描かれた山あらしとの関係は不明であるが、やまあらしという名の妖怪は日本各地の民間伝承に見られる。

和歌山県有田郡廣村(現・広川町)や広島県山県郡では、別名を「シイ」といい、毛を逆立てる姿をがたいへん恐れるので、牛を飼う者は牛に前進させる際に「後ろにシイがいるぞ」という意味で「シイシイ」と命令するのだという[5][6]。また奈良県吉野郡大塔村(現・五條市)では、山で木を伐る音をたてる怪物であるといわれる[7]

脚注

  1. ^ a b 村上健司編著『日本妖怪大事典』角川書店〈Kwai books〉、2005年、334頁。ISBN 978-4-04-883926-6 
  2. ^ a b 妖怪ドットコム『図説 妖怪辞典』幻冬舎コミックス、2008年、87頁。 ISBN 978-4-344-81486-8 
  3. ^ 兵庫県立歴史博物館京都国際マンガミュージアム 編『図説 妖怪画の系譜』河出書房新社〈ふくろうの本〉、2009年、50頁。 ISBN 978-4-309-76125-1 
  4. ^ 『妖怪大集合!!』南丹市立文化博物館、2008年、18頁
  5. ^ 濱口彰太「牛のツジ」『民間傅承』第4巻第3号(通巻39号)、民間伝承の会、1938年、4頁。 
  6. ^ 郷田洋文「牛聞書 -安藝山縣郡-」『民間伝承』第16巻第2号(通巻165号)、民間伝承の会、1952年、33頁。 
  7. ^ 民俗学研究所編著 著、柳田國男監修 編『綜合日本民俗語彙』 第4巻、平凡社、1956年、1641頁。 

関連項目

  • 山颪 - 本文中にヤマアラシが登場する。



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