層序学においての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 02:03 UTC 版)
1930年にAlfred Eisenackがこの分類群を認識し命名してから、キチノゾアは生層序学において、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀を通じて非常に有用な示準化石であると証明されてきた。これは個体数の豊富さと、その形態的進化速度の速さが理由である。最もキチノゾア個体数の多い堆積物には1グラムあたり1,000個体が含まれているし、容易に同定が可能で(主に形状の変動が大きいため)、ほとんどの種の生存期間は比較的短い(1,000万年以下)。分布域が広く、多様な海底堆積物から発見されることも関連付けを容易にしている。さらに良いことに、キチノゾアはかなり強い変成作用を受けた岩石内でさえも、識別可能な形で残存していることがよくある。しかし、類似した環境条件での形態的収斂進化は時間的、空間的に大きく隔てられた種の誤同定に繋がることがあり、このような場合に2種が同種だと解釈されれば、明らかに大きな問題を引き起こすことになる。コノドントとフデイシに関する詳細な研究によってそれらの層序学的利用可能性が明らかになる1960年代後半までは、古生代の層序年代を特定する上で、キチノゾアはアクリタークを除いて唯一の信頼できる手段であった。
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