専門的な集中治療室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 09:44 UTC 版)
集中治療室(ICU)は対象とする患者の病態によって、次のように更に専門的に細分化されている病院もある。その場合でも特定機能病院や一部の総合病院では、総合内科的に管理・治療する役割で「集中治療室」が別途置かれている。 心臓血管疾患集中治療室 - CCU (Coronary Care Unit) 重症の循環器系疾患を集中的に治療する 脳卒中集中治療室 - SCU (Stroke Care Unit) 脳卒中患者を対象としたもので、基本的に脳神経内科(→神経学)に属する。NCU(脳神経外科集中治療室)も設置されている病院もある。 外科系集中治療室 - SICU(Surgical Intensive Care Unit) 従来の「術後回復室」が高度化したもので、主に全身麻酔による外科手術直後の患者を、容体が安定するまで短期間収容する。 脳神経外科集中治療室 - NCU(Neurosurgical Care Unit) 脳血管障害の術前及び術後の脳神経疾患の重症患者を容している治療室。 呼吸器疾患集中治療室 - RCU(Respiratory Care Unit) 重篤な呼吸器疾患患者を対象としたもの。 腎疾患集中治療室 - KICU (Kidney Intensive Care Unit) 腎臓疾患患者を対象としたもの。 精神病集中治療室 - PICU (Psychiatry Intensive Care Unit) 基本的に精神科病院に設置されており、精神病急性期患者を集中治療するものと、精神病以外の内科疾患を併発している患者を集中治療するものに分けられる。前者は個室や隔離室であり、病院によっては急性期病棟の大半をこのPICUとしている場合もある。 高度治療室/準集中治療室 - HCU (High Care Unit) ICUと一般病棟の中間に位置して、ICUと同等、または、やや重篤度の低い患者を受け入れる。 新生児集中治療室 - NICU (Neonatal Intensive Care Unit) 新生児用の集中治療室のこと。新生児科に併設され、新生児のうち極低出生体重児や仮死新生児など、集中治療が必要な患者を対象としたもの。正しくは新生児特定集中治療室。NICUで治療を受け、低出生体重から脱した新生児や状態が安定してきた新生児は、GCU (Growing Care Unit) - 継続保育室(回復治療室,発育支援室)に移動して引き続きケアを受ける場合もある。詳細は「新生児特定集中治療室」を参照 小児集中治療室 - PICU(Pediatric Intensive Care Unit) 小児専門病院や特定機能病院に設置されている。心臓病をはじめとする難病疾患をもつ小児患者や、救急搬送された重篤な小児患者を収容する。 移行期(回復期)治療室 - GCU(Growing Care Unit) 急性期治療が終了、または集中治療を要さない新生児を収容する。上の新生児集中治療室の後方病床と位置づけられている。 母体胎児集中治療室 - MFICU(Maternal Fetal Intensive Care Unit) 合併症妊婦などハイリスク妊娠や切迫流産の可能性の高い妊婦などに対応する。
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