寺崎央とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 寺崎央の意味・解説 

寺崎央

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/26 08:47 UTC 版)

寺﨑 央(てらさき ひさし、別名:H・テラサキ、1943年2月23日 - 2012年12月16日)は、フリーの雑誌編集者である。ムック「Made in U.S.A. catalog 1975」をつくり、「MEN’S CLUB」「平凡パンチ」「POPEYE」「BRUTUS」などの雑誌を舞台に活動した。「テラ」「テラさん」の愛称がある。

来歴・人物

北海道空知郡芦別町にて医師の父のもとに生まれた。芦別小学校、新宿区立落合第二小学校(編入)、落合中学校、私立海城高等学校を経て、1961年日本大学芸術学部放送学科に入学した。

1965年婦人画報社へ入社した。「MEN'S CLUB」編集部に配属され、小林泰彦、斎藤融、中原幹生、芦澤一洋長濱治を知る。1969年に婦人画報社を退社し、フリーの編集者として「平凡パンチ」(平凡出版、現・マガジンハウス)に参加した。木滑良久石川次郎、岩瀬充徳、西木正明らと出会った。

1974年「SKI LIFE スキーについて考え直す本」(読売新聞社出版局)を手がけた。石川次郎、カメラマンの馬場祐介の3名によるアメリカ取材で作り上げた「Made in U.S.A. catalog 1975」(読売新聞出版局)は1週間で売り切れて再版、累計10万部を超え、カタログブームの火付け役となった。

一方、フリー編集者として構成からレイアウトまで手がけたペーパーバック「レノンとヨーコ」(実業之日本社)を1970年に発刊した。加納典明ニューヨークで撮り下ろした写真集「fuck/燃えるパーティー」は発禁処分となった。

1977年、初の著書「若者の新生活宣言」(KKロングセラーズ刊)を発表した。

「男が悦楽的に生きるためのライフスタイルマガジン」というコンセプトで1980年5月に創刊された「BRUTUS」では、フリーランスの編集者として寺崎をはじめ、松山猛都築響一が参加した[注釈 1]。「POPEYE」「BRUTUS」を中心に寄稿、編集を続け、1981年から開始した連載「テラコンダのはらたち日記」は5年間で連載は118回に達した。

1980 - 1990年代にかけて、雑誌「BRUTUS」「ガリバー」「エルジャポン」「ターザン」「日経ヘルス」「DORSO」「翼の王国」「ソトコト」など、多数で連載を抱えた。一方、「山と渓谷」「Outdoor」誌などで、山書案内、低山歩き、釣行記など寄稿し、第一次アウトドアブームを盛り上げた。1995年に「ワーズワースの冒険」(フジテレビ出版)を刊行した。2009年には団塊の世代のためのB4判の大型雑誌「オレキバ」(六曜社)をローンチした。

2012年に出されたコリン・フレッチャー著、芦澤一洋訳「遊歩大全【復刻版】」(山と渓谷社)の解説が遺稿となった。享年69歳。没後、親交のあった仕事仲間たちにより、寺﨑の仕事をアーカイブした「史上最強の助っ人エディター」(テラ本制作委員会発行・マガジンハウス発売)が刊行された。

著書(没後の評伝含む)

  • 「若者の新生活宣言 アメリカ式ニューライフから君の意識をかえよう」(1977年、KKロングセラーズ)
  • 「ワーズワースの冒険」(1995年、フジテレビ出版[注釈 2]
  • 「癌一髪!悦楽的闘病記」(2012年、マガジンハウス)
  • 「史上最強の助っ人エディター/H・テラサキ傑作選」(2013年、マガジンハウス)
  • 「伝説の編集者 H・テラサキのショーワの常識」(2016年、エンジェルパサー)

発言

少なくとも、映画を作りたい、なんて考える人は、自己に沸き起こる芸術的表現をどうにかして満足させたいと願っている人たちである。過去においてはそういうわずかな人たちをシネアストと呼んでいた。しかし今やそれはキミとボクなのである。 — 寺崎央、週刊平凡パンチ 1970年2月23日発行号より

脚注

注釈

  1. ^ デザインは「an・an」「POPEYE」を手がけた堀内誠一
  2. ^ 1997年に扶桑社文庫に。

出典

参考文献

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「寺崎央」の関連用語

寺崎央のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



寺崎央のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの寺崎央 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS