実験と仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 10:01 UTC 版)
板倉聖宣によると、かつては科学論や科学教育論では、しばしば「実験以前に予想(仮説)を持つことは、実験(観察)事実をゆがめて見てしまうから、実験以前に予想を持つべきではない」と言われたことがあった、という。しかし板倉聖宣によると、これは認識の成立過程について誤った考え方から来ているのだという。対象を積極的に知ろうとする意欲がなければ、たとえ眼前である種の自然現象が行われようとそれは実験ではないし、その自然現象の事実は無視されて注目をよばないことになる。学校での生徒実験ではしばしばそのような現象が見られる、と板倉聖宣は言う。 板倉聖宣によると、先入観は当事者に検証の必要性を感じさせない独断的に考えられているものであるが、偶然にその先入観と反するような事象に出会えば、その先入観が意識され、否定されることによって正しい認識が実現されうる。従って予想と先入観の境界は流動的である、という。
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