実存の現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/02 02:42 UTC 版)
実存する現象に対して、リミットサイクルは自励振動現象の数理モデルとなり得る。自励振動とは、流入するエネルギーは非振動的であるにも拘らず、系自身の特性から自ずと発生する振動現象である。リミットサイクル振動子には、外力による強制振動の周期に依存せずに系自身でリズムを生み出す自律性がある。また、リミットサイクル振動子に外乱が加わった場合、一時的に振幅が変化するかもしれないが、外乱が無くなれば元の振幅に戻ることができる。このようなリミットサイクルの安定性は、工学的にも生物的にも重要である。 一定のリズムを鳴らす機械式のメトロノームは安定なリズムの好例である。最初に針を小さく振って動かしたとしても、針を大きく振って動かしたとしても、メトロノームは一定の振動に落ち着く。メトロノームの減衰力と駆動力がバランスすることによって安定な振動を生み出しており、簡単なモデル化によってもメトロノームにおけるリミットサイクルの存在が確認できる。また例えば心臓の拍動などのように、生物のリズム現象の多くは(生物分野では恒常性と呼ばれる)安定性を持っている。このような安定なリズムを記述するのにリミットサイクルを持つモデルが有効である。
※この「実存の現象」の解説は、「リミットサイクル」の解説の一部です。
「実存の現象」を含む「リミットサイクル」の記事については、「リミットサイクル」の概要を参照ください。
- 実存の現象のページへのリンク