定義と簡単な事実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/27 01:16 UTC 版)
一般に体 K 上の(函数係数)p-階線型差分方程式 (linear difference equation):ch. 17:ch. 10 あるいは線型漸化式 (linear recurrence relation) とは、数列 (fn)n∈N に関する漸化式で、n ≥ p なるとき ∑ i = 0 p a i ( n ) f n − i = b ( n ) ( ∀ n ∈ K , a p ( n ) ≠ 0 ) {\displaystyle \sum _{i=0}^{p}a_{i}(n)f_{n-i}=b(n)\quad (\forall n\in \mathbb {K} ,a_{p}(n)\neq 0)} の形に書けるものを言う。ここに、各係数函数 ai および函数 b は、自然数 n を変数とする K-値函数である。すべての ai, b が n に依らない一定の値をとるとき、漸化式は定数係数であるという。 n ≥ p なる全ての n に対して、上記の漸化式を満足する数列 (fn)n∈N をこの差分方程式の解と呼ぶ。解は明らかに最初の p 項の値によって特徴付けられる。 任意の n に対して b(n) = 0 のとき、差分方程式は斉次 (homogeneous) であるといい、そうでないとき非斉次 (inhomogeneous, non-homogeneous) と言う。任意の n に対して fn = 0 となる数列は明らかに斉次方程式を満たし、斉次方程式の自明解と呼ばれる。 一般性を失うことなく a0 = −1 として、別な表現 f n = a 1 ( n ) f n − 1 + a 2 ( n ) f n − 2 + ⋯ + a p ( n ) f n − p − b ( n ) = ∑ i = 1 p a i ( n ) f n − i − b ( n ) {\displaystyle f_{n}=a_{1}(n)f_{n-1}+a_{2}(n)f_{n-2}+\dots +a_{p}(n)f_{n-p}-b(n)=\sum _{i=1}^{p}a_{i}(n)f_{n-i}-b(n)} を与えることができる。これは fn が直前の p 項から決定されるという形になっている。 F, G が同じ斉次方程式の解ならば、αF + βG (α, β ∈ K) も同じ斉次方程式の解である F, G が同じ非斉次方程式の解ならば、F − G は付随する斉次方程式の解になる。 非斉次方程式の解の一つ F が既知(特殊解)ならば、非斉次方程式の他の解は付随する斉次方程式の一般解 G との和として書ける。
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