字(あざな)・苗字・名字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 13:43 UTC 版)
「氏姓制度」の記事における「字(あざな)・苗字・名字」の解説
一方、氏姓のほかに、同時に発達したのが字(あざな)である。仮名(けみよう)、呼名(よびな)ともいわれ、一種の私称であった。すでに『日本霊異記』に、紀伊国伊刀郡人文忌寸(ふみのいみき)を、上田三郎と称した例がある。上田は、伊刀郡上田邑の地名、三郎は三男の意である。 氏姓に取って代わることになる苗字(名字)は、このように字の一部分として発生し、さらに字から分離独立したものとされる。苗字は12世紀以後、氏姓と同じように用いられているが、初期の苗字は、居住地や領地の所有を表すために土地名を自分の名にしたため、所領が分かれたり別の土地の所領に移るなどして父子兄弟が苗字を異にしている場合が多かった。特に中世では戦乱や転封などにより所領が目まぐるしく変わり、苗字の持つ一族を表す機能は薄かった。しかし戦乱が減り身分が住居が安定してくると、苗字が家名・一族の名前を意味するようになり、他国に移っても一族の苗字は変更されないようになった。 今日的な意味での姓(セイ)の特徴は、基本的にはこの苗字(名字)から発生している。
※この「字(あざな)・苗字・名字」の解説は、「氏姓制度」の解説の一部です。
「字(あざな)・苗字・名字」を含む「氏姓制度」の記事については、「氏姓制度」の概要を参照ください。
- 字・苗字・名字のページへのリンク