大統領提案への回答
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:58 UTC 版)
8月6日、仏印中立化の提案に対する日本の回答が野村大使からハル国務長官に提示された。 (日本政府の確約事項)日本は仏印以上に進駐しない、日中戦争解決後仏印から撤兵、フィリピンの中立を保障、東亜における米国の必要資源獲得に協力 (米国政府の確約事項)米国は南西太平洋の軍備拡大中止、日本の蘭印資源獲得に協力、日米通商関係の復活、日中交渉の橋渡しと撤兵後の日本の仏印における特殊地位の承認 仏印以上に進駐しないというのは日本としては譲歩ではあるが、南部仏印に駐留したままでは説得力にかけるうえ、仏印中立化どころか日本に特権的な地位を求めるなどあまりに虫のいい提案であった。この提案にハルは悲観的な見通しを示し、日本の行動に深く失望したことを表明したうえで、日本が征服の政策を捨てない限り、話し合いの余地はないと取り合わなかった。米国の回答は8日にハルから示されたが、これは日本の提案は大統領提案への回答としては不充分であると厳しく指摘するものであった。
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