多角的貿易交渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 01:47 UTC 版)
「関税及び貿易に関する一般協定」の記事における「多角的貿易交渉」の解説
GATTは、国内の産業保護の手段として関税のみを認めていたが、GATT締約国はその関税引き下げのためには二国間で交渉するよりも多数国間で交渉するほうが効率的であるとして、多角的貿易交渉を行い関税水準を引き下げてきた。 これは1947年のGATTを一部改正した、1994年のGATTを含むWTO協定が発効した後も継続されている。第1回からディロン・ラウンドまでの計五回にわたる交渉では、関税の引き下げについて交渉が行われたが、ケネディ・ラウンドでは関税引き下げのみではなく、非関税障壁であるアンチダンピング問題についても検討された。東京ラウンドでは、ダンピング防止や政府調達のような非関税障壁の問題に加えて、発展途上国が関心を持っていた熱帯産品に関する交渉が開始された。 1986年から1994年に行われた、ウルグアイ・ラウンドでは世界貿易機関の発足が決定され、本来国際貿易機関発足までの暫定的な体制であった筈のGATTが、実質的に国際組織として活動している異常な状況を解消した。GATT体制下で行われた8回の多角的貿易交渉を通じて、先進諸国の平均関税率はGATT以前の10分の1以下の4パーセントにまで低下した。
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