塩化ルテニウムを原料として合成される化合物群とは? わかりやすく解説

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塩化ルテニウムを原料として合成される化合物群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 14:07 UTC 版)

塩化ルテニウム (III)」の記事における「塩化ルテニウムを原料として合成される化合物群」の解説

RuCl2(PPh3)3 チョコレート色で、ベンゼン可溶化合物である。この化合物出発物質として汎用される。一般的には以下の反応式合成される。 2 RuCl 3 ⋅ x H 2 O   + 7 PPh 3 ⟶ 2 RuCl 2 ( PPh 3 ) 3   + OPPh 3   + 5 H 2 O   + 2 HCl {\displaystyle {\ce {2RuCl3\cdot {\mathit {x}}H2O\ +7PPh3->2RuCl2(PPh3)3\ +OPPh3\ +5H2O\ +2HCl}}} [RuCl2(C6H6)]2 チョコレート色であるが、ベンゼン錯体溶解度は低い。1,3-シクロヘキサジエンから合成される。 2 RuCl 3 ⋅ x H 2 O   + 2 C 6 H 8 ⟶   [ RuCl 2 ( C 6 H 6 ) ] 2   + 6 H 2 O   + 2 HCl   + H 2 {\displaystyle {\ce {2RuCl3\cdot {\mathit {x}}H2O\ +2C6H8->\ [RuCl2(C6H6)]2\ +6H2O\ +2HCl\ +H2}}} なおベンゼン部分配位子ヘキサメチルベンゼンなどの他の芳香族炭化水素であってもよい RuCl2(C5Me5)2 以下の式で合成される。 2 RuCl 3 ⋅ x H 2 O   + 2 C 5 Me 5 H ⟶   [ RuCl 2 ( C 5 Me 5 ) ] 2   + 6 H 2 O   + 2 HCl {\displaystyle {\ce {2RuCl3\cdot {\mathit {x}}H2O\ +2C5Me5H->\ [RuCl2(C5Me5)]2\ +6H2O\ +2HCl}}} [ RuCl 2 ( C 5 Me 5 ) ] 2 {\displaystyle {\ce {[RuCl2(C5Me5)]2}}} は更なる還元により、 [ RuCl ( C 5 Me 5 ) ] 4 {\displaystyle {\ce {[RuCl(C5Me5)]4}}} となることもできる。 [ Ru ( bpy ) 3 ] Cl 2 {\displaystyle {\ce {[Ru(bpy)3]Cl2}}} 励起状態寿命長いため、強い発光を示す化合物である。 RuCl 3 ⋅ x H 2 O   + 3 bpy   + 1 2 CH 3 CH 2 OH ⟶   [ Ru ( bpy ) 3 ] Cl 2   + 3 H 2 O   + 1 2 CH 3 CHO   + HCl {\displaystyle {\ce {RuCl3\cdot {\mathit {x}}H2O\ +3bpy\ +{\frac {1}{2}}CH3CH2OH->\ [Ru(bpy)3]Cl2\ +3H2O\ +{\frac {1}{2}}CH3CHO\ +HCl}}} このビピリジン#2,2'-ビピリジン(bpy)との反応は、有用な cisRu ( bpy ) 2 Cl 2 {\displaystyle {\ce {{\mathit {cis-}}Ru(bpy)2Cl2}}} を中間体として進行するRu ( C 5 H 7 O 2 ) 3 {\displaystyle {\ce {Ru(C5H7O2)3}}} ベンゼン可溶な赤い化合物である。 RuCl 3 ⋅ x H 2 O   + 3 C 5 H 8 O 2 ⟶ Ru ( C 5 H 7 O 2 ) 3   + 3 H 2 O   + 3 HCl {\displaystyle {\ce {RuCl3\cdot {\mathit {x}}H2O\ +3C5H8O2->Ru(C5H7O2)3\ +3H2O\ +3HCl}}} RuO4(四酸化ルテニウム、(en)) 四塩化炭素可溶の、酸化性を有するオレンジ色化合物である。四面体構造有しており、有機合成場面で時折用いられるルテニウム錯体研究は、化学中でも重要な領域占めている。野依良治ルテニウム触媒用いた野依不斉水素化反応により、2001年ノーベル化学賞受賞している。またロバート・グラブスは、グラブス触媒呼ばれるルテニウム化合物用いたメタセシス反応により、2005年ノーベル化学賞受賞している。

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