地震波の伝播速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:13 UTC 版)
地震波の地球内部の伝播速度は、物質の弾性定数、密度 ρ {\displaystyle \rho } 、および非圧縮率 K {\displaystyle K} に依存する。これらの剛性率および非圧縮率は体積変化およびねじれ変形に対する力学物性定数である。 体積変化を伴う疎密波である縦波の P波の伝播速度は以下の式で表される。ここで μ {\displaystyle \mu } および λ {\displaystyle \lambda } は弾性に関するラメの定数、特に μ {\displaystyle \mu } は剛性率と呼ばれる。 V p = λ + 2 μ ρ = K + 4 3 μ ρ {\displaystyle V_{\mbox{p}}={\sqrt {\frac {\lambda +2\mu }{\rho }}}={\sqrt {\frac {K+{\frac {4}{3}}\mu }{\rho }}}} また、体積変化を伴わない横波の S波の伝播速度は以下のようになる。 V s = μ ρ {\displaystyle V_{\mbox{s}}={\sqrt {\frac {\mu }{\rho }}}} 地震波の走時曲線からマントルの地震波速度分布を計算するために、震央距離 Δ {\displaystyle \Delta } と、波線パラメーター p = d T d Δ {\displaystyle p={\frac {{\mbox{d}}T}{{\mbox{d}}\Delta }}} および速度分布 V ( r ) {\displaystyle V(r)} の関係式であるHerglotz-Wiechert法が用いられる。 Δ = 2 p ∫ r m r 0 d r ( r / V ¯ ) 2 − p 2 {\displaystyle \Delta =2p\int _{r_{m}}^{r_{0}}{\frac {{\mbox{d}}r}{\sqrt {(r/{\bar {V}})^{2}-p^{2}}}}} このアーベルの積分方程式の解は走時解析に用いられ以下の式で表される。ここで V ¯ {\displaystyle {\bar {V}}} は走時曲線の傾きから得られる見かけの角速度である。 ∫ 0 Δ 1 cosh − 1 V ¯ Δ 1 V ¯ Δ d Δ = π ln ( r 0 r 1 ) {\displaystyle \int _{0}^{\Delta _{1}}\cosh ^{-1}{\frac {{\bar {V}}\Delta _{1}}{{\bar {V}}\Delta }}{\mbox{d}}\Delta =\pi \ln \left({\frac {r_{0}}{r_{1}}}\right)}
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