土の上を利根は流るる蛇は渡るとは? わかりやすく解説

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土の上を利根は流るる蛇は渡る

作 者
季 語
 
季 節
夏 
出 典
前 書
 
評 言
 岸田劉生に「切通写生」という作品がある。そこには土が描かれている。その岸田劉生認めた画家中川一政習作に、ごく普通の田舎風景描いた絵がある。真鶴半島にある「中川一政美術館」でその絵を観たのだが、ここにも土が描かれている。岸田作品のような誇張はない。ただ横たわっている土だ。不思議だった幾度も観た。岸田の土を中川意識しており、そしてこれが中川回答だったのではないか想像する
 色川武大は『私の旧約聖書』で東京大空襲後に凝視した地面のことを書いている。「家の中で、畳の上寝ているように思ってきたけども、つまり、本質的には、泥の上寝ているということなんだな」、「-あ、これが、もとっこなんだな」。色川凝視した地面(土)は根源的なものでありながら生々しいイメージ与えている。「もの」はいつも私たちこういう姿を見せはしない一瞬のうちに色川の目から消失しただろう。
 掲句にも中川描き色川見た「土」を感じる、根源、そう、流れ利根川もそこを渡るも、そして私たち生き死にも、この「土」の上でのことなのである
 私は「は渡る」の俳味十分に味わった。重いテーマにもかかわらず深刻さに陥っていないのは、その民謡調のリズム基底にあるからだろう。五、七、五の句体の切れのところで「はあ~」とか「あいや~」とか合いの手入れたくなるのだ。   
評 者
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