国分大塚古墳とは? わかりやすく解説

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国分大塚古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 23:35 UTC 版)

国分大塚古墳

墳丘全景(左に後円部、右に前方部)
(後円部・前方部に各石室奥壁側が露出)
所在地 滋賀県大津市国分1丁目581-1(字西出)
位置 北緯34度58分16.85秒 東経135度53分32.35秒 / 北緯34.9713472度 東経135.8923194度 / 34.9713472; 135.8923194座標: 北緯34度58分16.85秒 東経135度53分32.35秒 / 北緯34.9713472度 東経135.8923194度 / 34.9713472; 135.8923194
形状 前方後円墳
規模 墳丘長45m
埋葬施設 後円部:両袖式横穴式石室
前方部:横穴式石室
築造時期 6世紀中葉
史跡 大津市指定史跡「国分大塚古墳」
地図
国分大塚
古墳
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国分大塚古墳(こくぶおおつかこふん)は、滋賀県大津市国分にある古墳。形状は前方後円墳。大津市指定史跡に指定されている。

概要

滋賀県南部、瀬田川右岸の丘陵先端部に築造された古墳で、眼下に瀬田川を一望する。東海道新幹線名神高速道路に挟まれた位置にこの古墳が存在する[1]。大津市内にある8基の前方後円墳の中では最南端かつ最も新しい古墳である[2]1973年昭和48年)に発掘調査が実施されている[3]

墳形は前方後円形で、前方部を南西方に向ける[4]。墳丘表面で葺石埴輪は認められていない[5]。墳丘周囲には周濠が全周している[2]。内部構造は後円部と前方部のそれぞれに1基ずつ横穴式石室を有するもので、この構造のものは滋賀県では唯一である[2]。築造時期は古墳時代後期の6世紀中葉[5][6][7](または6世紀前半[3])頃と推定される。大津市域および湖西地方では最後の前方後円墳と位置づけられ、その後に続く古墳としては北西の園山古墳群が知られる[3]。特に本古墳の被葬者としては和邇氏一族を想定する説がある[6]。大津市北郊地域の後期古墳で見られるもち送り(ドーム状天井)は認められない[2]

古墳域は1976年(昭和51年)に大津市指定史跡に指定されている[8]

遺跡歴

  • 1973年昭和48年)、発掘調査(滋賀県教育委員会、1975年に報告書刊行)[3]
  • 1976年(昭和51年)3月15日、大津市指定史跡に指定[8]

墳丘

墳丘の規模は次の通り[2]

  • 墳丘長:45メートル
  • 後円部 直径:32メートル
  • 前方部 幅:28メートル
  • くびれ部 幅:19メートル

埋葬施設

埋葬施設としては、後円部・前方部において横穴式石室が各1基構築されている。各石室の規模は次の通り[4][2]

  • 後円部石室 - 両袖式。
    • 石室全長:6.6メートル
    • 玄室:長さ4.4メートル、幅2.1メートル(奥壁側)・2.15メートル(羨道側)、高さ1.6メートル以上(石室内に後から堆積した土砂があるため正確な数値は不明)
    • 羨道:長さ2.2メートル以上、幅1.5メートル
  • 前方部石室
    • 石室全長:不明
    • 玄室:長さ2.9メートル、幅1.2-1.6メートル、高さ0.9メートル以上
    • 羨道:後世の破壊により不明

いずれも石材には花崗岩が使用される[3]

文化財

大津市指定文化財

  • 史跡
    • 国分大塚古墳 - 1976年(昭和51年)3月15日指定[8]

脚注

  1. ^ 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1979, p. 758.
  2. ^ a b c d e f 大津市歴史博物館 2004, p. 17.
  3. ^ a b c d e 国分大塚古墳(平凡社) 1991.
  4. ^ a b 史跡説明板。
  5. ^ a b 国分大塚古墳(古墳) 1989.
  6. ^ a b 国分大塚古墳 -住宅地の片隅に残る-(公益財団法人滋賀県文化財保護協会「新近江名所圖会」)。
  7. ^ 国分大塚古墳(大津市歴史博物館)。
  8. ^ a b c 昭和51年3月15日大津市教育委員会告示第1号。

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

  • 史跡説明板(大津市教育委員会、2018年設置)
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 25滋賀県』角川書店、1979年5月4日。 
  • 丸山竜平「大塚古墳 > 国分大塚古墳」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607 
  • 「国分大塚古墳」『日本歴史地名大系 25 滋賀県の地名』平凡社、1991年。ISBN 4582490255 
  • 大津市歴史博物館『大津 歴史と文化 身近な歴史再発見!』大津市、2004年10月1日。 

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 「大津市石山国分大塚古墳調査報告」『昭和48年度文化財調査年報』滋賀県教育委員会、1975年。 
  • 「国分大塚古墳」『埋蔵文化財包蔵地分布調査報告書(大津市埋蔵文化財調査報告書 第2集)』大津市教育委員会、1981年。 

外部リンク



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