命題3について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:26 UTC 版)
「科学的認識の成立条件」の記事における「命題3について」の解説
誰かがある法則を発見したとしても、それが公表され、社会的に認められなければ、その法則は科学の中に位置づけられたものとはいえない。「社会的に認められる」というのはとりあえず科学者の組織の中に迎え入れられることを意味する。論文はまず科学者たちの検証に委ねられるべき素材として登録される。 科学者の仕事は真理を悟ることではなく、それを誰でもが認めなければならないような形で証明してみせることである。その社会の中で他の人々に十分納得のいくように証明できなければ、科学としては不十分なのである。 科学上ではすでに確認されている理論といえども、その理論を初めて理解しようとするものにとっては、1つの仮説的な存在としての意味しか持たない。科学教育の初期段階においては、科学上の理論と個人の先入観や常識と相矛盾することが少なくない。そのような場合は先入観や常識とはっきり対立するような形で科学的法則を提示しないと、その人に科学が理解されないことになる。 独創的科学研究には従来の科学や常識にとらわれない社会的に自由な立場が必要であり、社会的な反対を克服しうるような強い意志と行き届いた研究とが必要である。 科学を始めたのは古代ギリシャ人以外にはない。自然そのものの体系的・論理的・分析的・実験的な研究の伝統は古代ギリシャの哲学・自然研究の伝統を受け継がないところには、ついに発生する事がなかった。その意味で古代ギリシャ人は全世界の科学の生みの親ということができる。
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