呼吸方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:53 UTC 版)
成虫は魚のような鰓呼吸ではなく他の陸上昆虫と同様に気門から空気呼吸をするが、人間が空気を貯蔵したタンクを用いて行うスクーバダイビングのように上翅の下(腹部背面との間の空間)に空気を貯蔵して潜水する。成虫の上翅下には飛翔用の後翅が畳まれて収納されているほか、腹部の背側(上翅の下・尾端近く)に気門が開いている。成虫は腹端(尾端)を水面上に突き出して上翅と腹部背面の間にあるわずかな空間に新鮮な空気を貯蔵して潜水し、水中で気門から貯蔵空気中の酸素を吸収しつつ活動する。人間がスクーバダイビングで使う空気ボンベは使用すれば酸素濃度が減少するだけだが、ゲンゴロウの場合はそれとは異なり貯蔵空気中の酸素分圧(酸素濃度)が下がり二酸化炭素分圧が上がると水中に二酸化炭素が溶け出してその分だけ酸素が気泡の空気中に入り込むため、いったん上翅の下に空気を取り込んで潜水するとそこに元々含まれていた量以上の酸素を得て長く潜水活動をすることができる。酸素消費量・運動量が少ない冬季はガス交換のため水中に上がってくる頻度が低下する一方、水温が高く水中酸素溶存量が少ない夏季は頻繁に水面でガス交換を行う。
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