周囲領域への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 23:46 UTC 版)
「ローカル・ボイド」の記事における「周囲領域への影響」の解説
科学者たちは、ボイドは成長しつつあり、ボイドの1つの壁を形作っているローカル・シートは、ボイドの中心から約260km/sの速度で遠ざかっていると信じている 。 物質の凝縮した領域は、通常は重力により引き合うが、ボイドは物質を押しやるのである。ローカル・ボイドは、ある物質が存在しないある一角を除いて、全ての方向で一様に物質に囲まれているため、引力の欠如は、その一角からの反発力として現れる。これが近隣の銀河へ及ぼす効果はかなり大きい 。 実際、われわれの銀河系を含む局所銀河群は、宇宙マイクロ波背景放射 (Cosmic Microwave Mackground radiation; CMB) を基準にすると、約631km/sでおおよそケンタウルス座銀河団の方向に運動しているが、これは、上記の反発力によるローカル・ボイドからの後退運動と、他の2つの異なる原因による運動成分の合成と考えられている。まず、第1の成分として、局所銀河群を乗せてローカル・シート全体がローカル・ボイドから約259km/sで後退している。第2の成分は、おとめ座銀河団とその周辺の銀河の引力によるものであり、約185km/sでおとめ座銀河団の方向に向かう。第3の成分は、おおよそケンタウルス座銀河団の方向に向かう約455km/s の成分であるが、これは約2億光年の距離に、その存在が予測されている巨大引力源グレート・アトラクターが原因であると考えられている。なお、偶然であるが、これらの3つの成分はほぼ直交しており、各成分の観測と分離を容易にしている 。
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