吐き方・吐かせ方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 05:26 UTC 版)
嘔吐物が気管に入らないように頭を下に向けて吐かせる。吐くだけ吐いてすっきりさせる。気分が悪く吐きそうだが吐けないなどの場合は、指を舌の奥に入れるなどの嘔吐反射を用いる。特に臭気が不快感を催させるため、吐瀉物の処理はし尿など汚物全般に準じ、また嘔吐に際して着衣が汚れないよう注意を必要とする。吐いた後は十分に水分および塩分補給をすべきであるが、その際に冷たいものを飲ませるとそれが胃に刺激を与え、さらに吐いてしまう場合がある。そのため、体温程度に温めたスポーツドリンクなどを与えるのが望ましい。 意識を失っている場合や、意識がはっきりしない場合などは、嘔吐の後に窒息する危険性があるため、喉の奥や鼻腔の中に吐瀉物が詰まっていないか注意する必要がある。緊急的には指でかき出したり、後ろから抱きかかえて鳩尾(みぞおち)を斜め後ろ上方に押し込んだりするなど、喉の奥にモノが詰まった時同様の処置をする。乳幼児の場合などでは、逆さにして背を強く叩いたり、大人が口で幼児の鼻と口を覆って吸い出したりすることも行われる場合がある。 吐かせた、または吐いた後は、患者に回復体位を取らせるのが望ましい。回復体位を取らせるのが難しい場合は、嘔吐物により窒息しないために、身体を横に向けて寝かせる。特に意識が朦朧としている場合や意識を失っている場合、嘔吐物が気管に入り、窒息の危険がより高まるために仰向けに寝かせてはならない。 また、飲み込んだ物を強制的に吐かせるために催吐薬を用いる場合もある。
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