名称の細分化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 00:02 UTC 版)
学術用語としては、ヴュルム氷期(en. ヨーロッパ大陸における最終氷期)の初期に限ってヨーロッパ大陸に生活していた旧人を指して、「古典的ネアンデルタール」または「ネアンデルタール人類」という細分化した名称で呼び分けることがある。一般に広く「ネアンデルタール人」の名で解説されるグループは、この範疇にある。 他方、それより以前の人類については、「早期ネアンデルタール」または「プレネアンデルタール人類」の名で総称されることがある。さらには、ヨーロッパ大陸以外の旧人(ソロ人〈en〉、馬壩人〈en〉、ローデシア人など)を指す用語として「ネアンデルターロイド」がある。命名の経緯はどうであれ、これらの名称「早期ネアンデルタール」「プレネアンデルタール人類」「ネアンデルターロイド」は進化段階を基準とした用語であり、生物学的単一種を意味しない。「進化」節も参照のこと。 現生人類(タイプ亜種と仮定した場合の学名:Homo sapiens sapiens)の誕生は約28万年前であるが、現生人類の直接の祖先のうち、25万年前以上前に活動・生息していた人類祖先も旧人段階にあったと考えられるため、ネアンデルタール人だけが「旧人」に該当するわけではない。ホモ・ヘルメイ、ホモ・ローデシエンシス、そしてホモ・サピエンス・イダルトゥ発生以前の「古代型サピエンス」も、旧人段階に該当する人類であると考えられる。また、広範な地域に分布していたネアンデルタール人は、個々の集団レベルで分布していたそれぞれの発見地の名前を冠した名称で呼ばれている。いくつか例を挙げるならば、典型的ネアンデルタール人と言えるベルギー出土の「スピー人(英称:Spy man)」を始め、フランス中部出土の「ラ・シャペル・オ・サン人(en. 英称:La Chapelle-aux-Saints man)」、クロアチア出土の「クラピナ人(cf. 英称:Krapina man)」、イラク出土の「シャニダール人(英称:Shanidar man)」、イスラエル出土の「アムッド人(cf. 英称:Amud man)」などが有名である。
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