吉田玉男_(初代)とは? わかりやすく解説

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吉田玉男 (初代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/05 01:37 UTC 版)

しょだい よしだ たまお
初代 吉田 玉男
本名 上田うえだ 末一すえいち
生年月日 (1919-01-07) 1919年1月7日
没年月日 (2006-09-24) 2006年9月24日(87歳没)
出生地 日本大阪府大阪市
死没地 日本・大阪府大阪市
職業 文楽人形師
ジャンル 文楽
活動期間 1933年 - 2006年
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初代 吉田 玉男(しょだい よしだ たまお、1919年1月7日 - 2006年9月24日)は、日本の文楽人形浄瑠璃の人形遣い、重要無形文化財保持者(人間国宝)。

来歴・人物

1919年(大正8年)大阪府大阪市に生まれる。本名・上田末一(うえだ すえいち)。三男二女の末子として生まれ、父親は次々と仕事を変えていたが、玉男が生まれた頃は兄二人がすでに働いていたため、生活は比較的ゆとりがあった[1]。生まれ育った日本橋5丁目は文楽関係者が多く住む地域だったが、13歳で文楽に道に進むまで家族の誰も文楽を見たことはなかった[1]

早く働きたい希望があり、小学生の頃から夜間の難波商工学校に通い、尋常高等小学校を中退して13歳で会社勤めを始めたが、学歴による待遇の差を知り、両親の勧めで文楽の人形遣いを目指し、文楽座に通う[1]

1933年昭和8年)吉田玉次郎に入門し、玉男と名乗る。立役(男役)。戦中二度出征。戦後『曽根崎心中』の徳兵衛役が当たり役となり、生涯で1136回務めた。抑制の効いた、理知的な動きの中に、秘めた情感や品良き色香を表現し、その技は最高峰と謳われた。

1966年(昭和41年)「源平引布滝」三段目瀬尾で大阪府民劇場奨励賞を受賞。さらに1977年(昭和52年)重要無形文化財保持者(人間国宝)認定、1978年(昭和53年)紫綬褒章受章[2]

1989年(平成元年)勲四等旭日小綬章受章、1997年(平成9年)朝日賞受賞[3]2000年(平成12年)文化功労者2003年(平成15年)京都賞思想・芸術部門(映画・演劇分野)受賞[4]

1995年(平成7年)に咽喉腫瘍を発症して手術し、2003年(平成15年)に病が再発した後は舞台休演が目立つようになり、2005年(平成17年)8月の国立文楽劇場(大阪市)公演を最後に舞台に立つことはなかったが、現役を引退することはなかった[5]

2006年(平成18年)9月24日、肺炎のため大阪市内の病院で死去[5][6]。87歳没。墓所は大阪市天王寺区浄土宗銀山寺に在所する[7]

玉男の名は自らの弟子である吉田玉女2015年に2代目を襲名した[8]

出演

平成の中頃に、玉男の小学校時代の同級生の孫が『探偵!ナイトスクープ』に「人間国宝の頭を叩きたい」との投書依頼に応えて出演。

同級生(依頼者の祖父)と探偵が玉男を自宅に訪ね、再会を果たした時に、探偵が説明をする前に、小学校卒業以来、半世紀以上会っていない同級生の顔を見て「お!◎◎くんやん。久しぶり」と声を掛け、自宅に招き、依頼が成功したというエピソードがあった。

関連書籍

  • 『文楽の男 吉田玉男の世界』山川静夫共著 淡交社 2002
  • 『文楽吉田玉男』小川知子 撮影 演劇出版社 2003
  • 『吉田玉男文楽藝話』日本芸術文化振興会 森西真弓聞き手 国立劇場上演資料集 2007
  • 『人形有情 吉田玉男文楽芸談聞き書き』宮辻政夫聞き手 岩波書店 2008

参考資料

「第一〇四回=文楽公演 平成十八年十一月 国立文楽劇場」公演パンフレット(平成18年11月4日独立行政法人日本芸術文化振興会発行)

脚注

  1. ^ a b c 近代日本の文化人輩出過程に関する考察(1)― 大正期生まれ伝統芸能家における家庭環境と学校教育の影響多賀太、關西大學文學論集 69 (4), 137-161, 2020
  2. ^ 吉田玉男『出身県別 現代人物事典 西日本版』p1043 サン・データ・システム 1980年
  3. ^ 朝日賞 1971-2000年度”. 朝日新聞社. 2022年8月18日閲覧。
  4. ^ 吉田玉男(Tamao Yoshida)(本名:上田末一) 京都賞 第19回(2003年)受賞者 稲盛財団公式サイト
  5. ^ a b 文楽人形遣いの吉田玉男さん死去 朝日新聞 2006年9月24日閲覧
  6. ^ 吉田玉男さん死去/文楽人形遣いの人間国宝」『四国新聞』2006年9月24日。2021年10月27日閲覧。
  7. ^ 銀山寺”. 大阪観光局. 2020年7月25日閲覧。
  8. ^ 二代目吉田玉男さん襲名披露公演 人形浄瑠璃文楽”. 朝日新聞 (2015年4月4日). 2015年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月26日閲覧。

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