各個撃破と遊兵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/06 17:33 UTC 版)
ランチェスターの法則が示すように、敵味方の兵力差によって生じる戦果の差は、単純な整数比となって導かれるものではなく、双方が敵兵力の2乗の被害を受けるような差となって現れる。例えば5対3の兵力が戦闘すれば、25対9といった3倍ほどの被害差を生じ、多数側の5の方が1だけ損耗して4となった時点では少数側の3の側は1の3倍、つまり3すべてが損耗して全滅してしまうという事になる。 このような彼我の加害力差に基づく損耗度合いの計算は、必ずしも2乗といった切りの良い数値ではないが、双方の条件が同じであればおおむね乗数によって計算できると実戦で実証され、このことが兵力の集中使用の優位性を理論付け、機動戦による各個撃破や補給線への攻撃といった加害力をほとんど持たない敵への攻撃の実効性を説明している。反対に、多くの遊兵を持ったままの軍隊は、敵に各個撃破されるのを待っているといえる。 現代型の戦闘では、可能な限り利用可能な加害力をすべて同時に敵に指向する方が有利であり、このことによって戦闘は自ずと機動戦の性格を帯びる。
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