古代記号とは? わかりやすく解説

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古代記号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 10:12 UTC 版)

古代記号
Ancient Symbols
範囲 U+10190..U+101CF
(64 個の符号位置)
追加多言語面
用字 ギリシャ文字
Common
割当済 14 個の符号位置
未使用 50 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
5.1 12 (+12)
7.0 13 (+1)
13.0 14 (+1)
公式ページ
コード表 ∣ ウェブページ
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古代記号(こだいきごう、英語: Ancient Symbols)は、Unicodeの169個目のブロック

解説

古代ローマ古代ギリシアなどで用いられていた通貨記号などの、現在は使われていない古典的な碑文などに用いられる記号類が収録されている。

Unicodeのバージョン5.1において初めて追加された。

収録文字

コード 文字 文字名(英語) 用例・説明
ローマの重量及び測量記号
U+10190 𐆐 ROMAN SEXTANS SIGN 通貨や重量の単位の1/6を表す補助単位[1]

例えば通貨であれば1/6アスに相当する。

U+10191 𐆑 ROMAN UNCIA SIGN 通貨や重量の単位の1/12を表す補助単位[1]
U+10192 𐆒 ROMAN SEMUNCIA SIGN 通貨や重量の単位の1/24を表す補助単位[1]
U+10193 𐆓 ROMAN SEXTULA SIGN 通貨や重量の単位の1/72を表す補助単位[1]
U+10194 𐆔 ROMAN DIMIDIA SEXTULA SIGN 通貨や重量の単位の1/144を表す補助単位[1]
U+10195 𐆕 ROMAN SILIQUA SIGN 通貨や重量の単位の1/1728を表す補助単位[1]
ローマの硬貨記号
U+10196 𐆖 ROMAN DENARIUS SIGN デナリウス通貨記号。10アスに相当する[1]
U+10197 𐆗 ROMAN QUINARIUS SIGN クィナリウスの通貨記号。5アスに相当する[1]
U+10198 𐆘 ROMAN SESTERTIUS SIGN セステルティウスの通貨記号。2.5アスに相当する[1]
U+10199 𐆙 ROMAN DUPONDIUS SIGN 帝政ローマにおいて新たに導入されたドゥポンディウス通貨の通貨記号。2アスに相当する[1]
U+1019A 𐆚 ROMAN AS SIGN 青銅貨の基本単位であるアス[1]の通貨記号。
その他のローマの碑文記号
U+1019B 𐆛 ROMAN CENTURIAL SIGN 古代ローマの軍において、名目上100人の兵士で構成されるケントゥリア(centuria)と呼ばれる兵団の単位や、それを指揮する現代の軍曹にあたる身分のケントゥリオ(centurio; 百人隊長)の略語を表す記号[2]
U+1019C 𐆜 ASCIA SYMBOL 主に1世紀半ばから4世紀初頭にかけての古代ローマガリア属州の、現代におけるフランスリヨンにあたる地域の碑文に用いられた、手斧の形をした記号。しばしば碑文やテキストの上部に"Diis Manibus(マーネースのために)"という文章の略語であるDとMに囲まれた状態で書かれる[3]
ギリシアの記号
U+101A0 𐆠 GREEK SYMBOL TAU RHO タウ(τ)とロー(ρ)の合字で、以下の用法がある[4]

コプト文字にはこの文字から派生した同様の記号 U+2CE8 ⳨  coptic symbol tau roが存在するが、数価が900でありギリシャ文字のものとは異なる[4]

小分類

このブロックの小分類は「ローマの重量及び測量記号」(Roman weights and measures)、「ローマの硬貨記号」(Roman coin symbols)、「その他のローマの碑文記号」(Other Roman epigraphic symbols)、「ギリシアの記号」(Greek symbol)の4つとなっている[5]

ローマの重量及び測量記号(Roman weights and measures

この小分類には古代ローマにおいて重量や測量の単位の補助単位として用いられた記号が収録されている。

共和政ローマにおいては貨幣がまだ導入されておらず、青銅の塊の重量を通貨として使用していたため、貨幣・重量・測量に共通してこれらの記号が用いられていた[1]

ローマの硬貨記号(Roman coin symbols

この小分類には古代ローマにおいて、紀元前211年頃に導入された[1]デナリウスなどの通貨体系の通貨記号が収録されている。

その他のローマの碑文記号(Other Roman epigraphic symbols

この小分類には古代ローマにおいて用いられたその他の記号が収録されている。

ギリシアの記号(Greek symbol

この小分類には古代ギリシアにおいて用いられたタウ・ロー或いはスタウログラムと呼ばれる記号1つのみが収録されている。

文字コード

古代記号(Ancient Symbols)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+1019x 𐆐 𐆑 𐆒 𐆓 𐆔 𐆕 𐆖 𐆗 𐆘 𐆙 𐆚 𐆛 𐆜
U+101Ax 𐆠
U+101Bx
U+101Cx
注釈
1.^バージョン16.0時点


履歴

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

バージョン コードポイント[a] 文字数 L2 ID ドキュメント
5.1 U+10190..1019A 11 L2/06-173 David J. Perry (9 May 2006), Proposal to Add Ancient Roman Weights and Monetary Signs to UCS (英語)
L2/06-234 David J. Perry (28 July 2006), Proposal to Add Ancient Roman Weights and Monetary Signs (replaces L2/06-173) (英語)
U+1019B 1 L2/06-269 David J. Perry (1 August 2006), Proposal to Add Additional Ancient Roman Characters (英語)
7.0 U+101A0 1 L2/12-034 Joshua Sosin (30 January 2012), Proposal for three Greek papyrological characters (WG2 N4194) (英語)
13.0 U+1019C 1 L2/19-091 Andrew West; Michael Everson (1 April 2019), Proposal to encode a pair of Ascia symbols for Roman epigraphy (WG2 N5038) (英語)
  1. ^ 提案されたコードポイントと文字の名前は、最終決定と異なる場合がある。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m David J. Perry (2006年5月9日). “Proposal to Add Ancient Roman Weights and Monetary Signs to UCS” (英語). Unicode. 2025年3月24日閲覧。
  2. ^ David Perry (2006年8月1日). “Proposal to Add Additional Ancient Roman Characters” (英語). Unicode. 2025年3月24日閲覧。
  3. ^ Andrew West, Michael Everson (2019年4月1日). “Proposal to encode a pair of Ascia symbols for Roman epigraphy (WG2 N5038)” (英語). Unicode. 2025年3月24日閲覧。
  4. ^ a b Joshua Sosin (2012年1月30日). “Proposal for three Greek papyrological characters (WG2 N4194)” (英語). Unicode. 2025年3月18日閲覧。
  5. ^ "The Unicode Standard, Version 15.1 - U10190.pdf" (PDF). The Unicode Standard (英語). 2025年3月21日閲覧

関連項目




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