古代ローマ期の模擬海戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/03/30 01:55 UTC 版)
記録として残っている最初の模擬海戦は、紀元前46年にローマのカンプス・マルティウスにユリウス・カエサルが建設した人工湖で行なわれたティルス船とエジプト船の戦いと伝えられている。紀元前2年には、アウグストゥス帝により、マルス・ウルトル(Mars Ultor)神殿(アウグストゥスが義父カエサルの暗殺の復讐を記念して造営した神殿。ウルトルは復讐者の意)への奉納行事としてカエサル庭園(horti Caesaris)の池でアテナイとペルシャの海戦が再現された。 アウグストゥス帝が模擬海戦を行なった人工池は、長径が約550m、短径が約370mあったと言われ、アンシエティーナ水道(Aqua Alsietina)を経由して、ローマの北にあるマルティニャーノ湖(Lago di Martignano)から水を引いていたと伝えられている。この湖の水は飲み水には適さない悪質のもので、アンシエティーナ水道は模擬海戦のために築かれたと考えられている。 同じ人工池で、ティトゥス帝の時代にはコリントスとケルキラの海戦が再現された。52年にクラウディウス帝がフチーノ湖(Lago Fucino )で行なった模擬海戦では、ロードス軍とシシリア軍に扮した19000人の剣闘士と罪人が戦った。 ドミティアヌス帝も模擬海戦に熱心で、ティベレ川近くの人工湖で、ほぼ実物大の船を使って実施したと言われ、トラヤヌス帝も模擬海戦場を持っていたとされる。蚊の発生を避けるため、水は模擬海戦のたびに入れ、終了後排水していたようである。
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