十字架を担うキリスト (ロット)とは? わかりやすく解説

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十字架を担うキリスト (ロット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 08:04 UTC 版)

『十字架を担うキリスト』
フランス語: Le Portement de croix
英語: Christ Carrying the Cross
作者 ロレンツォ・ロット
製作年 1526年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 66 cm × 60 cm (26 in × 24 in)
所蔵 ルーヴル美術館パリ

十字架を担うキリスト』(じゅうじかをになうキリスト、: Le Portement de croix: Jesus Carrying the Cross)は、イタリア・盛期ルネサンスヴェネツィア派の画家ロレンツォ・ロットが1526年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。史料は、ヴェネツィアのコレクションにあったロットによる、この主題に関する2つの作品に触れている。これらのうちの1点は、ベルガモ生まれの貴族、ヤコポ・ピゲッティ (Jacopo Pighetti) の家にあったもので、おそらく現在パリルーヴル美術館にある本作品である[1]ローマに移された後、フランスで売却され、1982年以来、ルーヴル美術館に収蔵されている[1][2][3]。右下の十字架の部分に署名と制作年が「Laur. Lotus / 1526」と記されている[2][4]

作品

マタイによる福音書」、「マルコによる福音書」、「ルカによる福音書」によれば、キリストの十字架を背負わされたのはキレネ人のシモンであった。「ヨハネによる福音書」(19章17節) にのみ、キリストが重い十字架を背負って、ゴルゴタの丘を登ったと伝えられている[5][6]

絵画は、セバスティアーノ・デル・ピオンボが1526年に故郷のヴェネツィアに戻り、最初に仕上げた作品の1つである[2]。画家はそれ以前の20年ほどをローマやフィレンツェを含むイタリアの各地で過ごし、多様な様式の影響を受けが、ヴェネツィア帰郷後の本作は、かつての師であり仲間であったチーマ・ダ・コネリアーノジョルジョーネの影響を示している[2]。クローズアップの構図は、ヴェネツィア派の同主題の作品と類似している[2]

画面の焦点は、もっぱらキリストである。彼の深紅の衣服と血のにじんだ茨の冠は受難の象徴である。首に縄をかけられているキリストの穏やかで、色白の顔は、彼をゴルゴタの丘へと追い立てる兵士たちの陰鬱で、暗色の顔と対照をなしている。キリストの頬を伝う涙は、触覚的に描写されている[2]

ヴェネツィア派の『十字架を担うキリスト』

脚注

  1. ^ a b Le Portement de croix”. ルーヴル美術館公式サイト (フランス語). 2024年4月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて、2011年発行、90頁。
  3. ^ Carlo Pirovano, Lotto, Electa, Milano 2002. ISBN 88-435-7550-3
  4. ^ Roberta D'Adda, Lotto, Skira, Milano 2004
  5. ^ エル・グレコ展、1986年、190-191頁。
  6. ^ 大島力 2013年、172頁。

参考文献

外部リンク




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