医薬品候補として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/17 06:56 UTC 版)
シクロパミンは現在、過剰なHh活性が原因となっている腫瘍である基底細胞癌、髄芽腫、横紋筋肉腫、膠芽腫、多発性骨髄腫に対する治療薬として研究されている。 シクロパミンは、細胞のいわゆる「ヘッジホッグ」シグナル伝達経路の阻害剤として作用することが明らかにされている。この経路は外部化学シグナルに細胞が応答するのを助けるために使用される。胚の発達において重要な役割を担っており、この経路が正常に働かなくなると奇形が生じる。しかしながら、この経路の異常な活性化は成人したヒトにおいて、がん発生の引き金ともなり、基底細胞癌、髄芽腫、横紋筋肉腫、前立腺癌、膵癌、乳癌を引き起こす。シクロパミンを使用しこの経路を制御することによって、これらのがんを治療することが可能であると考えられる。 シクロパミン誘導体のIPI-926 は、様々な種類のがんに対する治療薬として臨床試験が行われている。
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