医原性障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/05 17:44 UTC 版)
操作的診断による安易な診断、数分での診察などで誤診され、誤った投薬により薬害性の精神病になる患者もいるという。このような医原性疾患・治原性障害の増加は、精神科においての児童患者や自傷傾向患者・非典型例の増加、新薬の多発、専門性の未成熟などを背景に近年増加している。 東大病院精神神経科の石川憲彦医師の調査では、転院時に誤診が判明した症例の3分の1の患者に、全転院患者の4分の1に治療による被害(治原性障害)が認められた。治原性障害の原因は、薬剤因性が50%、指導因性が72%であった(重複を含める)。 薬剤因性障害での内訳は、「過剰な投薬」が28%、「不必要な投薬」が20%、「異診などによる誤投薬」が14%であった。そのうち重症例は約3分の1であった。主に大量の抗精神病薬による物質誘発性気分障害と、抗不安薬による薬物依存が目立つ結果となった。指導因性障害では「誤指導」50%がもっとも重要で、「指導欠如」43%、「家族への誤指導」22%などであった。
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