劣位弁済融資
【英】: subordinated loans
劣位弁済融資は、プロジェクト金融のための融資としてプロジェクトのスポンサーがプロジェクトに対して、第三者貸主からの上位の借入れを補完する資金を提供するためにしばしば用いられる。この場合、プロジェクトのスポンサーはそのプロジェクトの所有者であったり、あるいはそのプロジェクトの建設に利害関係を持つ政府機関であったりする。劣位弁済負債は一般的にどの負債に対して劣位であるか特定されており、他の負債に対してすべて劣位である包括劣位弁済と特定の上位負債に対してのみ劣位である特定的劣位弁済とがある。この劣位弁済負債は資本の拠出に比べて次のような利点がある。 (1) 負債としての借入金額は、そのプロジェクトが成功した場合、税法上の影響を受けずに弁済される。 (2) 劣位弁済融資契約に基づく株式保証(stock warrants、特定数の株式を一定価格で買う権利)あるいは株式転換権によって、株式取得の有利性を、スポンサー(すなわち貸主)として留保し得る。 (3) 劣位弁済負債と保証(warrants)あるいは転換権を組み合わせれば、スポンサー(すなわち貸主)にとって、税法上並びに財務会計上のコントロール権を得るタイミングを合わせることができる。 (4) 負債について支払われた利息は税法上控除できる。 (5) 政策上の理由で、出資者としての立場をとれない利害関係のある政府機関のスポンサーも、上位の融資を導入するための種となる資本(seed capital)として、劣位弁済負債を提供することが可能となる。 |

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